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自分で飲みたい牛乳を作っていますか?

ほとんどの酪農家は、乳を搾って酪農組合やJAや酪連に乳を売ればそれでおしまいです。
自分で作った物が消費者に届く場面は、なかなか想像できません。

地域の牛乳は合乳されて加工されるので、「自分の牛乳」は見えません。

生乳の生産、加工、販売までやっているほんの一部の酪農家や
生乳を生産しアイスクリームやチーズなどに加工している酪農家は
自分とこの商品と消費者のつながりが見えます。

あるレストランでは、
「自分が本当に食べたいものを自身を持って売る。」
という理念で経営しています。

「社員が買う、だからお客も買う。」

どんなお店でもそこで働いている社員は、どんな材料でどんな作り方をしているかを知っています。
だから、そこの社員が喜んで買う商品は、間違いがありません。
「あるスーパーで働くパートのおばちゃんは、買い物はよそのスーパーでする。」
というお店もあります。
どんな材料でどんな作り方をしているかを知っているからです。
「あんなもの食べたくないな。よそで買おう!」と思われてしまうような品物を作っているお店は必ずつぶれています。

うちの近所には、きれいな農場が2軒あるのですが、
酪農組合が、消費者を農場訪問に案内するときは、いつもそこです。

汚れた牛から搾られた牛乳は、消費者は飲む気がしません。
消費者は、体細胞がどうだの、薬の残留がどうだのなどということは、あまり知りません。
本能的に、「汚い」と思うからです。
でも、この感覚は、結構当たっているんです。
私も飲む気がしません。

汚れた牛のいる農場の管理は、すべての管理について「低い」レベルです。
「食品を生産している」という意識より
「牛飼いをしている。牛はクソはよくするし、汚れるのは当たり前だ!」という意識です。
牛舎、牛床の整理整頓、掃除ができない農場では、基本的な管理作業はできません。

うっかり抗生物質が混ざったり、乳房炎が発生したり、気がつかないうちに体細胞が上がっていたり、最近はポジティブリストで抗生剤以外の薬も、出荷制限が厳しくなりましたが、
「どうせ検査できないのだから、出荷してもかまわない」と思い出荷しているかもしれません。


「自分が本当に食べたいものを自身を持って作る。」

これを、しっかり思いながら牛乳を生産していかないと
今後、乳価が安くなり、飼料代が高くなってくる将来に生き残れる酪農
つまり、
「ぜひ、あなたの農場の牛乳を売ってくれ!」
あるいは、
「少々値段が高くても、あなたの農場で作ったチーズやアイスクリームが欲しい!」
と消費者が言って、寄って来る農場は
できないのではないかと思っています。
by agricoach | 2007-01-06 22:32


メールは 673258.gtwsbc@gmail.com まで。獣医行動科学研究会 


by agricoach

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