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トヨタ式カイゼン

最近 、「トヨタ式カイゼン入門」 若松義人著 を読んでいます。

非常に面白いことが載っていますので、いくつかを紹介しましょう。


「トヨタ式カイゼンは、東洋医学の考えに通じるものがある」

西洋医学では、臓器そのものに問題があると考えて、その一部の臓器を治そうとします。
近年になり、病気が細分化されればされるほど、診療科目も増えていきます。

「めまいがする」と言うと、脳神経科、心療内科、眼科、耳鼻科、歯科などいろんな所に行かなければいけません。
細分化して、こまかいところを直していけば、全体が良くなる、という考えです。

これに対して東洋医学では、臓器と臓器をつなぐ経絡に問題があると考えます。

トヨタ式カイゼンも東洋医学と同じように、人と人、部門と部門、仕事と仕事、作業と作業のつながりに重点を置いています。この流れをつくるつながりに多くの力を注いでいます。

なにか、うまくいかなかった時に、その人が悪いのではなく、
その失敗をした原因が、人の連係にあったのか、作業の連係にあったのか、人の教育にあったのかなど、失敗を取り巻くまわりの原因を徹底的に探して対応します。

そして、被害が拡大して流れが滞らないようにスピーディーにチームワークを発揮して対応します。

東洋医学の、「流れ」というキーワードを農場で考えてみると。

農場では、農場のメンバーが元気で、「気」が充実してなければいけません。
気持ちの上では、メンバー同士で、「元気」や「感謝」や「やる気」や「思いやり」がグルグル流れていなくてはいけません。

他にも、「牛の流れ」「一日の作業の流れ」「人のローテーション」「農場内の物の流れ」「年間を通しての牛や作業の流れ」「お金の流れ」。

これらの「流れ」が、滞りなく、滑らかに、無駄がなく、
まるで熟練した職人の技のように、あるいは
芸術(アート)のように、流れなくてはいけないのです。

「牛の流れ」 を例にとると。

生まれて分娩房から哺乳舎に、すみやかに衛生的に動かす。
健康に哺乳期を乗り切り、発育は順調に育成期に流れていく。
過肥や痩せすぎ、病気を抱えずに健康体で妊娠し分娩まで流れていく。
乾乳期、産褥期、泌乳最盛期へ食欲旺盛に、元気に流れていく。
流れるようなスムーズなパーラーへの牛の移動。
スムーな移動を可能にする、床の状態や蹄の状態。
受精や治療をするために牛を捕まえる時のスムーズな作業。
グループ移動の時の、スムーズで静かな牛の流れ。

これらの流れをいい状態で維持するためには、何をどのようにコントロールしなければいけないのかを、ひとつひとつの作業の中で見直して、組みなおす必要があります。


農場内の、「元気」や「やる気」が滞らずスムーズに流れるためには、何をどのようにコントロールしなければいけないのか。

今まで私が、ブログに書いてきたことも、この「流れ」という視点で見ると全体像が違って見えます。
 
by agricoach | 2007-03-01 00:00 | トヨタ風「最強の社員」


メールは 673258.gtwsbc@gmail.com まで。獣医行動科学研究会 


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