「あたりまえのことを当たり前にやる」を記録から見てみると。
農場では、「記録をしっかりする」が大事だということはみんな知っています。
でも実際の多くの農場で、記録は充分ではありません。
基本的な繁殖の記録、乳量、乳質、体細胞の記録、病気の記録、治療の記録、作業の記録、お金の出入りの記録など記録をつけないといい経営はできないことは、昔からなんども言われています。
でもこの基本的な記録を毎日しっかりつけることは難しいです。
「あたりまえのことを当たり前にやる」農場では、毎日記録を取っています。
たとえば繁殖記録については、
毎日パソコンに記入し、毎日プリントアウトして成績をチェックします。
上の写真はある農場で使っている日報です。
多くの会社では、その日にした仕事を日報としてまとめます。
でも他の農場では、ほとんど見る事はありません。
その日の受精した牛の番号や発情発見時刻、受精時刻、受精師、発情の状態、種牛名など。
分娩した牛の番号、分娩状況、分娩時刻など。
病気した牛の番号、発見時刻、状態、治療内容、対策など。
今日の作業内容、エサなどの変更の有無、添加物の利用の有無、他に農場内で起った事、反省点、明日の作業予定、目標などを記録しています。
繁殖データも毎日入力してプリントアウトし、チェックしています。
非常に基本的な、毎日確認するという作業が、実際の農場ではやられていないことが多いです。
毎日の作業に追われて、なにかわからないけど忙しくてついついケ確認を忘れてします。
治療しなければいけない牛や、妊娠鑑定しなければいけない牛がどの牛かがわかっていないと、実際の行動に移れません。
同じように、乾乳しなければいけない牛、移動しなければいけない牛、削蹄しなければいけない牛、除角しなければいけない牛など農場の中で、どの牛をどうするのかという作業を決めるためには、記録が最重要です。
こんなことは、当たり前でみんな知っています。
ところが多くの農場でそれをやっていないのです。
農場の管理表も役に立ちます。
1枚に1ヶ月。縦に日付を書いて、毎日1行づつ。
その日の乳量、朝と夕のエサの量、食べ残し、病気の牛の番号と病名、他にサイレージを変えたとか下痢が増えたとか、添加物を使ったとか、雨が続いたなど農場で起こったことを書きます。
これがあると、牛の状態があまり良くないときに、過去にさかのぼって原因を考えられます。
繁殖検診をして、どうも発情の状態や受胎が悪い時、2ヶ月前にやっていたサイロの場所や出来具合、購入乾草の質などを確認できると原因がわかりやすくなります。
それがわかると次の対策も打てます。
農場で何が起こっているのか、どう動けばいいのかを知るためには、とにかく記録がいるのです。
その記録を毎日付けることは、「当たり前のことを当たり前にやる」農場ではしっかりできています。
by agricoach
| 2007-06-18 12:30
| トヨタ風「最強の社員」