見える化2
たとえば乳検成績。毎月それぞれの牛の乳量、乳質、年間の個体乳量など有効な情報が載っています。農場のある人だけは、大まかに知っているのですが、他の人は知りません。
だからどの牛を次に淘汰するとか、バルクの体細胞が高い原因はどの牛かなどのことをメンバー全員が知ってなくて、対応も徹底できません。
農場の中で見ていく主な数字としては乳検情報、繁殖情報、経理です。いろんな技術情報誌でその読み方、対応のしかたは紹介されています。
みんなで「見る」ための仕組みは、まず、ミーティングから。その中で、どの数字をどう直していくのか、そのためには誰が何をするのか。
それを毎週確認することで、農場の進み具合は違ったものになります。
遠藤功氏の本「見える化」は農場でも利用できる有効な話がいっぱい出ています。
「現場が混乱するほど情報やデータが氾濫してしまうような”見える化”はだめである。」
乳検情報には数字がいっぱい載っています。あれだけ数字があれば見る気がしなくなるのは私だけではないでしょう。最低限農場で見るべき情報はなんでしょうか?
毎月の出て行くお金と入ってくるお金。毎日の乳量。バルクの体細胞数。毎週の受精率と受胎率。これだけは農場の事務所の目に付くところのボードに大きな字で書くべきです。
もし、あなたの農場で「見える化」をどうするかと考えたとき、農場では何がどの程度のタイミングで見えていなければいけないのでしょう。
そして、現状はどの程度見えていて、見えていないものは何か、もっと見るべきものはなにか、そういったことを洗い出すのが見える化の第一歩です。
「農場の状況の見える化」とは、生産物の状況(乳量、乳質、体細胞、子牛など)牛の状況(病気、繁殖状態、BCSなど)お金の状況、いくら入って、いくら出て行くのか、物の状況(畑の状態、自給粗飼料の状態、機械、ミルカー、トラクター、ミキサーなどの状態)人の状況。不満はないのか、どんな不満を持っているのか。
農場の経営の考え方。頭数を増やして量でいくのか頭数は増やさずに質を高めて、あるいはアイスクリームやチーズなどに加工して付加価値を高めていくのか、安全を高めて付加価値を付けていくのか、地域の教育の場として農場を提供するのかなどの将来の計画とその進捗状況が見えているか。
次に「お客さんの見える化」。
もし、あなたの農場がアイスクリームなどの乳製品加工をしているなら、市場や顧客の動向や希望、商品やサービスに対する反応、満足度が見えていなければいけません。
たとえば、お客さんの感想で「最近、牛乳の味が少しおかしい」とか「最近、アイスクリームの味が薄くなった」とか「あまりおいしくないから他のお店で買おう」などの情報が見えていなければいけません。
それと同時に、お客さんの側からも農場や乳製品が見えるようになければいけません。つまり、農場の牛がどんなものを食べて、どう管理さて、どのように加工されて、品質はどうなどということがお客さんに見えなければいけません。
by agricoach
| 2007-08-14 06:08
| 見える化