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具体的作業への落とし込み 4


徹底した搾乳手順。

「搾乳手順はしっかりしていますか?」と聞くと「はい、しています」と返事がきます。

ところが、やはり“「徹底している」つもり“なんです。

前絞りからポストディッピングまで、現実にはビデオで撮って見るのが一番わかりやすいと思います。
乳頭の拭き方が違っていたり、時間がずれていたり、タイミングがおかしかったり、ミルカーのはずし方が違ったり、過搾乳をしていたり、どこかがずれています。

特に過搾乳。
これが一番乳頭を痛めるので、3産目4産目となるにしたがって、ほとんどの牛の乳頭孔が痛み乳房炎になりやすくなっています。

乳頭孔が痛むといくら他の乳質対策を一生懸命にしても効果が出ません。
ミルカーがはずれた後の残乳量は2回搾乳で200から400mlがよいとされています。ところが多くの農場で50ml以下なのです。

それをどうやって200から400mlにするのか。
これらの搾乳手順を農場のメンバー全員に徹底するには具体的にどうするのか、手順が正しいか間違いかのチェックをいつ誰がどのようにするのか。
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by agricoach | 2006-12-21 00:17 | 運営

具体的作業への落とし込み 3

たとえば、削蹄。

フリーストールやフリーバーンの農場では特にそうですが、蹄が悪くて大きなロスをしています。
そんな100頭規模の農場では蹄管理から年間、100万円~200万円の利益が出てきます。

「削蹄を徹底して、200万円アップする」という目標を、具体的作業にどう落とし込むか。

「だれが」「いつ」「どのように」「いくらで」、この各項目を具体的に。

削蹄師に依頼するのか、自分で削蹄するのか。
削蹄師に依頼するなら誰が連絡するのか。
自分で削蹄するなら、その方法はどうするのか。
100頭規模の農場で一頭の牛を一年に2回削蹄するには、年間延べ200頭。
一度に全頭削蹄するのか、月ごとに分けて削蹄するのか。
一ヶ月に15~20頭づつ分けて削蹄するには、何人の人数で、その月のいつにするのか。
全頭削蹄せず、蹄が悪い牛のみピックアップして削蹄するのか。
もしそうなら、誰がいつどのように削蹄する牛を決めるのか。
夏場の粗飼料つくりが忙しい時には、どのように削蹄するのか。
削蹄用の便利な削蹄枠を作るのか。
もし、作るならどんなデザインの枠場が、一番効率がよくて使い易いのか。
それを、どこで探すのか。どこに発注して作るのか、買うのか。

忙しいときでも、農場のメンバーが病気や急な用事で抜けたときでも、もれなく削蹄をするためには、どんな仕組みがいるのか。

特にだいじなのが、「仕組み」つくりです。
「暇があって、気が付いた時に削蹄しよう」
などと思っても、まずうまくいきません。
ほとんどの蹄の悪い農場でも、「蹄が悪いから削蹄しなくては!」と思っています。
ところができないのです。

それは「仕組み」まで、作り上げてないからです。
人手が足りなくてもできる、忙しい時期でもできる、忘れてもできる、ヤル気がなくてもできる、
そのためには、どんな仕組みがいるのか。

それを農場の作業に落とし込んでいるところでは、非常にいい蹄をしているので
数百万円のロスを防げています。
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by agricoach | 2006-12-20 23:26 | 運営

具体的作業への落とし込み 2

たとえば、乳質。

今、そこの農場の乳質が体細胞は年平均27万くらいだとします。

乳房炎も時々出て、3年に1頭くらいは大腸菌性の乳房炎で死んでいます。
死ななくてもひどい乳房炎で、その乳房は盲乳になってしまいます。
あるいは、乳頭を踏んでしまい、乳房炎で盲乳になります。
体細胞が高い牛の乳房は、個別に搾って廃棄し、バルクには入れていません。

こんな状況の場合、目標とする体細胞年間15万以下、全頭搾乳(体細胞が高いために廃棄しない)を達成することができれば、乳房炎による乳の廃棄はなくなり、体細胞が高いゆえの乳量のロスがなくなり、乳房炎で死亡する牛のロスがなくなり、乳房炎の治療費がやすくなります。

乳房炎での作業の手間や時間が少なくなり、その時間を予防管理に使うことができます。そうすると、30頭搾乳で年間、300万円ほどの増収になります。

では、目標とする体細胞年間15万以下、全頭搾乳(体細胞が高いために廃棄しない)を達成するには、なにをどうすればいいのかを作業に落とし込んでいきます。

「牛床の管理の徹底」などという方針は良く出されます。

でも、徹底というのは、なにをどうすることなのかを具体的に細かく落とし込まなくては、成果が出ません。

「牛床の管理の徹底はしている?」と聞くと、「はい。してますよ!」と返事がきます。

ところが、牛床は汚れているのです。“「徹底している」つもり“なんです。
「徹底」というのは、どんな意味なのか。そこが曖昧なので、徹底できていないのです。

徹底した牛床の管理とは、牛が寝る場所は、乾燥して柔らかくて滑りにくく、糞や尿、漏乳などがない状態を24時間保つことです。

そこまで徹底しているかというと、ほとんどの農場ではできていません。

北海道のある牧場では、無殺菌牛乳を生産しています。乳の風味を損ねないように、加熱殺菌をしない牛乳です。その牛乳を生産するために、そこの農場では牛床管理を毎日数時間やっているとのことです。寝床に糞がひとかけらでもあったら、それを取っています。

それが牛床の管理の徹底なのです。
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by agricoach | 2006-12-19 13:35 | 運営

具体的作業への落とし込み


将来の目標を決めたら、それを具体的な作業へ落とし込まなくては、達成できません。

目標や将来の夢は聞けば出てくるのですが、それっきりでそれを「どうやれば近づけるの?」が問題です。

ひとつの例をあげると。


現在、収支がトントンで農協の通帳には、乳代が入ってきてもエサ代やそのほかの費用を引かれて通帳にはほとんど残らない。

「生活もやっとで、どうにかもっと、お金を残したい。目標は、今より年間に、500万円利益を増やしたい」とします。

そのとき、農場の中のひとつひとつの部分で、今どれだけお金が出ているのか、
それを減らすとすれば、どれだけ減らせるのか、
減らすためには、何をどうすればいいのか、
そのときの数字はどのくらいを維持すればいいのか。

などを具体的にチェックしていき、毎日の作業にまで落とし込みます。
これを、飼料、育成、乳質、病気、乾乳、牛舎環境、繁殖、蹄などの部分で細かく詰めていきます。

それぞれの部分で、どれだけロスをしているのか、
そのロスをなくした場合、合計して500万円まで収益が上がるのか、
上がらないなら、プラスアルファーで収益を上げる方策はないのか、
をつめていきます。
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by agricoach | 2006-12-19 06:32 | 運営

重要度と緊急度

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この表は、重要度と緊急度を表したものです。
上にいくほど、重要で右にいくほど、緊急です。

重要度とは、農場の将来の存亡に関わって大事なこと。

緊急度とは、急を要する事柄です。

この表に農場内の事柄を当てはめてみると。
緊急度の高いが重要でないものは、
難産、授精、知り合いのお通夜、病気の治療などがあります。

重要度は高くても緊急ではないものは、
消費者対策、将来のビジョン、整理整頓、従業員教育、過肥対策などがあります。

重要度が低くて、緊急度も低いのは、忘年会の参加、共進会への参加などです。

ふつう、緊急度の高いものが重要であるように思いがちです。

農場長は、ここに注意しなくてはいけません。
農場の将来に関わる大事なことは、
重要度は高くても緊急ではないものです。
消費者対策、将来のビジョン、整理整頓、従業員教育、過肥対策などは
全然、急ではないのですが、その農場の将来にとって、きわめてだいじになります。

この重要なことは、急でないので、ほとんどの農場では、後回しになるし、考えられてない農場も多くあります。

ふつう、多くの農場で緊急のことが大事だと思ってしまいます。

重要なことを、どのようにスケジュール化して、毎日の作業に落とし込んでいくかが、そのこ農場の将来に関わってきます。
そのとき、大事になるなが、ミーティングです。
とにかく、話し合う場がなければ、お話になりません。

この重要なことを、しっかりスケジュールに組み込んでいけるかどうかは、トップの考え方ひとつです。
トップが、考えてなければ、そこの農場は、「みんなが一生懸命に働く割には、成績が上がらないし、儲からない」となります。
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by agricoach | 2006-12-16 01:00 | 運営

いい農場の秘密を、こっそり教えます。

私の読者の方々に感謝して、「いい農場の秘密」をこっそり教えましょう。

それは、

「普通のことを普通にやる!」  

です。

「え~~。そんな、ことかよ!!、 もっと秘密があるだろう!」
と ブーイングが来そうですが。


いい農場に行って、「コツは何ですか?」とか「特効薬は何を使っているの?」とか「どうすればそんなに成績がいいの?」とか「秘密は何?」とか聞いても、帰ってくる返事は、「別に特別なことはしてないよ!」です。

ところが良く見ると、整理整頓ができてたり、成績が整理されていたり、個体管理ができていたり、病気や乳房炎や蹄病の予防の手順が、しっかりとやられたりして、それらの作業の「質と精度」が違います。

いい農場にとっては、それは普通のことで、別に特別な仕事ではなく、世間一般に必要だと推奨されていることをやっているに過ぎません。

成績の悪い農場で聞いても、「うちもいろんな予防もやっているし、搾乳手順も間違っていない」と返事がきます。

ところが、中身を聞いてみると、
例えば、年に2回の削蹄をしてなかったり、磁石を飲ませてなかったり、残乳量が少なすぎたり、子牛の寝床が汚れていたり、サイレージが臭いがしてジュクジュクしていたり、繁殖検診の間隔が開きすぎていたり、細かい部分で少しづつ、ずれています。

それが農場全体として、おおきな違いになっています。
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by agricoach | 2006-12-11 22:26 | 運営

農場長の心得

 テイジン社長の長島徹氏は理想の上司の6条件として以下のことを上げています。

上司というのは、農場ではおとうちゃんや農場長。会社では社長や部長。農協では組合長や支所長。共済の診療所では、診療所長。農機具会社では、支店長などのことです。


1:目標をはっきりさせ、夢、ビジョンを語れる。
2:聞き上手である。
3:反対意見やどんな仕事のアイデアも怒らないで一旦受け入れることができる。
4:部下の輪の中に自ら飛び込んでいき苦楽を共にできる。
5:「部下の責任は私が取ります」と言える。
6:女性がイキイキと働き、結婚してもやめる人が少ない職場を作れる。

こんな農場長がいれば、最高の農場ですが、現実は、なかなかいません。

こんな上司の理想像を聞いても、ボヤキが聞こえてきそうです。

1:目標をはっきりさせ、夢、ビジョンを語れる。
先行き不透明で、エサ代は上がるし、乳価は下がるし、夢なんかねえよな!
農協の通帳には、金が残らないから、うちの農場長は、いつやめようかと話しているばっかりや!

2:聞き上手である。
こんな上司に会いたいもんだ! うちの上司は、人の話を聞かねえし、自分の話ばかりする。

3:反対意見やどんな仕事のアイデアも怒らないで一旦受け入れることができる。
こっちが、なにか提案しても、頭ごなしに、「そんなこと、できる訳がない!」と一喝だ。
失敗でも報告しようものなら、怒りちらして、そりゃあ、大変だ!

4:部下の輪の中に自ら飛び込んでいき苦楽を共にできる。
きつい仕事は、部下にまかせて、自分は楽な仕事ばかり。

5:「部下の責任は私が取ります」と言える。
そんな発言、聞いたことがないね!
悪い結果は、部下の責任。いい成績は自分の功績。

6:女性がイキイキと働き、結婚してもやめる人が少ない職場を作れる。
女がいくら意見しても、見下して、「女の出る幕じゃない」のひとことで終わる。

こんなボヤキが、聞こえてきます。


もし、農場長や親父が、この理想像に近づこうと、がんばっていれば、
周りの人も、納得して仕事ができるものです。

でも、ほとんどの農場長は、「どんな上司でなければ、農場は動かないのか」などは、あまり考えないし、そんな情報も入りません。

でも、いろんな経営の本や、ビジネス誌には、「部下の意欲をいかに上げるか」などの話題が豊富に載っています。

今からの、農場長は、この分野を勉強すべきです。
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by agricoach | 2006-12-10 21:21 | 運営

「できない理由」と「できる理由」

山口真一氏のことばに

「負け組み営業部隊の会議は言い訳ばかり。
成績のいい営業マンは「こうしたらどうか」「ああしたらどうか」と
常に「できる理由」を探す。
ダメな営業マンは「できない理由」を探す。
時間がなくて仕事ができないというときは、
時間の有効活用、効果的なスケジュール作成など
成績のいい営業マンは出来る理由を探します。」


農場の中でも、同じことが起きています。
成績がいまひとつ良くない農場では、
自分たちで話し合うときや、外部の人からアドバイスをもらうときに
いろんな問題点が指摘され、計画され、
「あれすれば」とか「これすれば」とか話がでます。

ところが、「あれは、こうこうだからできない」とか
「あれは、暇がないからできない」とか
「あれは、金がないから、技術がないからできない」
「あれは、人手が足りないから」
などと、「できない理由」ばかり出てきます。

いい農場では、「ああしよう」「こうしよう」
また、難しい問題に出会ったら、
「あの方法では、ダメだったので、この方法に変えてやってみよう」
とか
「あの方法は、ここを変えればうまくいくから、もう一回やてみよう」
などと、「出来る理由」を考えます。

農場の中にも、考えるべき方法や技術など
細かい部分についても、多くのチェックすべきポイントがあります。


「出来ない理由」を探すのでなくて、
「出来る理由」をどれだけ出せるのか。

それも、できるだけたくさん。
たくさん出せば出すほど、うまくいく方法に行き着く可能性が高くなります。
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by agricoach | 2006-12-06 22:28 | 運営

どないすんねん嫁のグチ 4

次に「外的コントロールの排除」。

「外的コントロール」とは聞きなれない言葉ですが、心理学者のウイリアム・グラッサー博士が提唱しています。

人が不幸を感じる理由は、満足できる人間関係がないからです。

職場がどんなに忙しくて給料が安くても、満足できる人間関係があれば、人は不幸とは思いません。
ところが、職場や農場、家庭の中に外的コントロールを使う人がいると、苦痛に感じます。

外的コントロールの表れ方は、「批判する」「責める」「文句を言う」「ガミガミ言う」「脅かす」「罰する」「褒美でつる」です。

ほとんどの人が、外的コントロールで相手を変えられると思っています。あるいは、相手を変えなければいけないと思っています。

ストレスを感じる農場や家庭や職場では外的コントロールが横行しています。
そのため、農場内は円満さに欠け、メンバーや家族は不愉快な思いをしています。

農場でもよくあることですが、たとえば父親と息子が対立している時、相手の感情の爆発に対して、感情の爆発で応戦することです。

何かを提案しても、「そんなこと無駄だ! 前も失敗したじゃないか!」などと言われると、
言われたほうも、感情が爆発して、気まずくなり仕事をする意欲がなくなります。「言われたことだけすればいいや」とか「自分の受け持ちの作業さえすればいいや」という気持ちになり、ろくな仕事ができません。

自分で問題を見つけて、自分で考え、自分で行動できなければ、やった仕事の質は上がりません。

ウイリアム博士は「人は外的コントロールで変えられない。これは真理で、この事実を理解していない人類は、心理学的に発展途上である」と言います。

わたしもまだ、発展途上なのです。
子供に対して、ついつい批判したり文句を言ったり、あるいは、ほうびで釣ったりよくしていましたね。
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by agricoach | 2006-10-24 23:03 | 運営

どないすんねん嫁のグチ 3

そこで、ぜひ登場してもらいたいのが「第三者」です。

ふだん改まって家族で農場の方針を考えようとしても、なかなかできません。

そこで「第三者」にミーティングの進行をしてもらうのです。
つまり、ファシリテーター(会議の進行役)になってもらうのです。

「第三者」がいれば、ふだん強いことをいう人も少し気を使って、強いことを言いません。

よく農場に出入りしている獣医師や普及所員、農協の技術員、薬屋さん、機械屋さんなどにお願いするのです。

さらに理想的なのは、普段強いことを言う人(場合によっては父親や息子や母親など)に信頼されている人が「第三者」になるほうがいいでしょう。

可能なら、場所は農場以外でしたほうがいいです。

農場の事務所でやっていると、昼間は結構人が出入りするのです。
エサ屋さん、薬屋さん、機械屋さん、役場の人などその度に中断するので話に集中できません。

実は、私も農場でやって、まったく話ができなかった経験があります。
人の出入りが多いし、農場内の人間関係が悪いところでは、
いつもの悪い人間関係が強く出ます。
農場の中では、日頃の悪い上下関係とか苦手意識とかが、ふだんのまま意識の中に定着しているので、その状態でミーティングを持っても、全くうまくいきませんでした。

年に数回でもいいから、場所を変えて2~3時間じっくり話し合ってみるのは非常に意味があります。
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by agricoach | 2006-10-21 16:18 | 運営


2冊目の本ができました。今回の本はイラストをいっぱい入れています。       メールは kagryt5297wexv@btvm.ne.jp まで。


by agricoach

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