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新しい設備を作っても成績は上がらない

「新しい設備を作っても成績は上がらない」 の一番いい例が「パソコン」です。

農家は、他の人がパソコンを導入して繁殖管理やエサ設計、経理処理などに使っているのを見ると、「こりゃあ便利だ!自分もしよう!」 とパソコンを買います。

ところが、半分以上の農家でうまく使われていません。

なにしろ、パソコンは、入力しないと意味がありません。
繁殖管理なら、毎日の受精や分娩、妊娠鑑定などを入力しないと、出てくる情報は使いものになりません。

使えないパソコンほどやっかいなものはありません。
枕には固いし、漬物石には軽いし、一昔前ならデスクトップで大きくて机の上に置くと場所ばかりとるしで、いいところはありません。

ノートに手書きで、あるいはボードに手書きでしっかり記録ができている農場以外では、いくら「最新式のパソコン」を導入しても、まったく機能しないのです。

農場でホコリのかぶったパソコンを、よく見るのは私だけではないようです。
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by agricoach | 2007-03-28 00:12 | カイゼン

新しい設備を作っても成績は上がらない

若松義人氏著の「トヨタ式カイゼン入門」はいい本です。

「カイゼン」 という言葉はよく聞いていたのですが、
中身については、よく知りませんでした。

「カイゼン」のためには、何が必要で、どんな考え方をしなければいけないかを分かりやすく、解説されています。

「ハード面の充実に目を向けて、高い設備投資をしたところで、必ずしも問題解決できるわけではない。どんなにすばらしい機械や設備にも、何らかの問題が内包されている。実際に機械や設備を操作する人だけが知っている問題に気づき、自らの頭や体を使って工夫しなければ、真の問題解決はしない」

これを読んで、私が見てきた農場でも、同じことが起こっていることがわかりました。

たとえば、搾乳用の自動離脱装置。
搾乳が終われば、機械が自動的にはずれるやつです。

これは、搾りすぎを防ぐことができて、非常にいい機械なのです。
ところが、現場では自動的に外れるタイミングは機械によってまちまちなので
実際の残乳量は、どのくらいになっているか農家は知りません。

また、残乳量を調整するためには、どうすればいいのかもほとんど知られてません。
つまり機械まかせにしているのですが、そこで起こっていることを認識していないのです。

ほかにも、「新しい牛舎を作り規模を拡大すれば成績が上がる」
と思うのですが、実際にお金が残っている農場はすくないのが現実です。

新しい農場にすれば、繁殖成績が上がって、新しいミルカーで乳房炎が出なくなり、
新しい牛舎で牛がきれいになると思いたいのですが、実際はあまり関係がありません。

基本的な使い方や消毒、点検などをしていないと新品の機械もうまく動きません。

大きな負債をして作った新しい牛舎がちらかっている農場ほど、心配なものはありません。


ほかに、デジタル万歩計。
最近、発情の発見をよくするために、足にデジタル万歩計を付けて、発情になった時に増える歩数をグラフ化して、発情を見つけるという非常にすぐれものの機械があります。

これを付けて、繁殖成績が伸びた農場は多くあります。

ところが、この機械を導入しても、発情をみつけなければいけない牛に付けるという基本の作業をしていないとまったく機能しません。

全頭に万歩計を付けているなら、付けたり外したりしなくていいのですが
予算の関係で、全頭分ないところもあります。
そのため、発情をみつける時期になる前には、つけていなくてはいけないのですが、
この基本作業ができたりできなかったりしていては、せっかくの高価な機械を
導入しても、成績は伸びないのです。

「人の知恵を大切にして、ソフト面の充実に力を注げば、お金をかけずに済むことがたくさんある」

農場でも、新しい機械を入れる前に知恵を出して解決する事柄も多くあります。
整理整頓をするだけで、機械がうまく動く場合もあります。

機械を入れる前に、
「あたりまえのことを、あたりまえにやる」
ことを確認すべきです。 
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by agricoach | 2007-03-24 23:54 | カイゼン

永守社長

永守重信氏は赤字企業を買収し、その企業を立て直していくプロです。すでに23社すべて
再生させているそうです。その手法は?

「情熱、熱意、執念。すぐやる、必ずやる、できるまでやる。知的ハードワキング。」
永守社長は人員削減を基本的にしません。人間の能力の差は、あまり関係がありません。
それよりも、人間の意識、ヤル気は100倍くらい差があります。

意識を変えさえすれば、首を切る必要はありません。つまり、いかに意識の高い人の集団にするかにかかってきます。
経営者も意識を変えてもらえばいいのです。業績が落ちているのは経営者と社員の意識が落ちているからなのです。

会社は一人の100歩より100人の1歩です。とんでもない秀才がいないと会社が発展しないなんてことは絶対ありません。

全ての会社に共通するのは6Sの徹底です。「整理、整頓、清潔、清掃、作法、しつけ」。この6Sを徹底することで、業績は確実に伸びます。

経費の削減を徹底的にし、あたりまえのことを、きっちりします。また、コスト削減と得意分野を伸ばします。

6Sと出勤率は社員のモラルの指標です。経営者がやることは社員のヤル気を出すこと。
全員の力で企業を強くする。規模の大小に関係がありません。会社が汚れているところで
業績の上がっている会社は絶対にありません。

永守社長が、始めて入っていった会社では、ほとんどの人が「なんで、掃除をしたら業績が上がるんだ!そんなことで業績が上がるなら、こんな苦労はしてない!」と思うそうです。

ところが、1年もすると確実に、ほとんどの会社の業績が上がっているそうです。
また、ほかにも部品や材料のコストを下げます。当たり前のことがどうしてできないのか。

それは、経営者の経営に対する情熱、執念の不足です。
採用のときは、夢の多い人、一生懸命働く人を選びます。能力より、ぜひ、日本電産で働きたい人を優先します。

以上が永守社長のやり方です。


農場でも、まず、6Sですね。

以前から、私も農場の片付き方と経営の良し悪しは、相関があると思っていました。
「成績のいいところは、農場が片付いている」「繁殖成績も、牛の管理も、お金の管理も片付いているから農場も片付いているんだ」と思っていました。

でも、永守社長から教わることは「片付いているから、成績がよかった」んだとわかりました。
永守社長の会社では、毎日、朝30分の掃除があります。

経営の神様で知られる、松下幸之助氏の開いた松下経政塾も毎日掃除が日課だそうです。

希望を持って入った塾生は、「あの有名な松下経政塾だから、きっと最新の世界情勢や商売の極意を教えてもらうに違いない。」と思って入塾するそうです。

ところが、毎日掃除をやらされて、「え!話が違う!」
「こんなことするために、松下経政塾に来たんじゃない!」と思うそうです。
しかし、そこに在籍する数年間で掃除の大切さを叩き込まれて卒業するそうです。

掃除をすることで、毎日の小さな変化に気付くようになります。
「毎日の小さな変化に気付く」ということが観察力の向上につながり、仕事のいろんな
分野での変化を敏感に感じ取れるようになります。感性が豊かになります。

農場内の小さな変化を敏感に感じ取れたら、すぐに対応が出来ます。
良くなった変化、悪くなった変化を、感じ取れるかどうかが、経営に直接関係してきます。
牛の変化、エサの変化、牛舎環境の変化、メンバーの働き方の変化など、感じ取れなくては
フィードバックできません。

だから農場もまず、6S「整理、整頓、清潔、清掃、作法、しつけ」なのです。
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by agricoach | 2007-03-16 06:39

トヨタ式カイゼン

トヨタ式カイゼンの中で、農場にも即通じることがあります。

「現場には、気づき学ぶべきことがたくさん隠されている。現場は知恵を生み出すヒントを与えてくれる宝庫である。」

農場の中にも、多くの現場でのポイントがあります。
エサの質、牛の肥満度、蹄の見方、清掃の状態など
「自分の農場はOKだ!」 と思っている事柄も、人によって見方が違います。

同じ牛を見ても、その牛をどう見るかは、かなり差があります。
同じ片付き具合をみて、片付いているか散らかっているかの見方が違います。
それを、いろんな事で確認してみると、話題になることがいっぱいあります。

現場にある、問題をどうやって解決していくかは、実際に作業をしている人が
一番いいアイデアをもっているはずです。

そのアイデアをみんなで出し合い、考えていく作業ができれば
いい知恵が湧いてくるはずです。

「高い設備投資をしたところで、必ずしも問題解決できるわけではない。どんなにすばらし機械や設備にも何らかの問題が内包されている。実際に機械や設備を使用する人だけが知っている問題に気づき、自らの頭や体を使って工夫しなければ、真の問題解決はできない。」

一番悪い例が、今の成績が悪くて収益が低いので、牛舎を新築して多頭化して収益を上げようと計画するのですが、今の農場が散らかっていて牛の状態が悪い農場です。

そんな農場は、高い設備投資をしたところで、問題を解決できるわけではありません。
トヨタ式カイゼンが言う通りです。


「人の知恵を大切にし、ソフト面の充実に力を注げば、お金をかけずにすむことがたくさんある。」

これも農場にたくさんあると思います。
過肥対策、搾乳技術、発情発見、乾乳期管理、エサ作り、かび対策など
知恵を使えば、それほどお金をかかずにすむことはいっぱいあります。

ソフトの充実は、それほどお金がかかりません。
ソフトというのは、作業と作業のつながり、牛や物やお金など流れ、ミーティング、連絡、ボードの使い方、悪い情報のあつかいなど
私が主張する「人」と「仕組み」の部分です。
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by agricoach | 2007-03-07 23:24 | トヨタ風「最強の社員」

なぜ、伝わらないの?

2月の後半から、子供の受験に東京まで付いていったり、
卒業式があったりして忙しい毎日です。

卒業式では、校長先生や来賓の方々の祝辞があります。

内容は、
「夢を持たなければいけない」
だとか
「こつこつと努力をしてください」
だとか
どっかのブログで読んだような、
非常に、いい話なのだけれど、ほとんど頭に残らないのです。

一人10~20分間は話し、聴くほうは、じっとして聞きます。

「式」 ということで形式が重要だということなのでしょうが
参加者は緊張して自由な姿勢も取れずに、イスにすわっています。

単調な話が続くと、聴く側の集中力も落ちます。
前の日に飲みすぎた父兄は、ついつい眠たくなります。

私が小学校の時から、入学式や卒業式、運動会、朝礼などで
数百回先生の話を聞いているはずなのに、
ぜんぜん覚えていません。

まあ、私の集中力、記憶力がないといえば、それまでですが。

内容は大事な事で非常にいい話なのだけれども、聞く側に伝わらない。
これは自分自身にも、身につまされます。

聴く側の集中力は、1分とも3分とも言われています。
長い話は、まず、伝わりません。

笑いを取りながら、大事なことを簡単に短く、どう印象つけるかが難しいところです。

永六輔さんのことばがあります。

「難しいことを、やさしく。
やさしいことを深く、
深いことを、おもしろく」

これができたら最高です。
永さんの話は、いつも面白いし、聴く側によく伝わります。

私も修行中の身です。
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by agricoach | 2007-03-05 06:45

トヨタ式カイゼン

最近 、「トヨタ式カイゼン入門」 若松義人著 を読んでいます。

非常に面白いことが載っていますので、いくつかを紹介しましょう。


「トヨタ式カイゼンは、東洋医学の考えに通じるものがある」

西洋医学では、臓器そのものに問題があると考えて、その一部の臓器を治そうとします。
近年になり、病気が細分化されればされるほど、診療科目も増えていきます。

「めまいがする」と言うと、脳神経科、心療内科、眼科、耳鼻科、歯科などいろんな所に行かなければいけません。
細分化して、こまかいところを直していけば、全体が良くなる、という考えです。

これに対して東洋医学では、臓器と臓器をつなぐ経絡に問題があると考えます。

トヨタ式カイゼンも東洋医学と同じように、人と人、部門と部門、仕事と仕事、作業と作業のつながりに重点を置いています。この流れをつくるつながりに多くの力を注いでいます。

なにか、うまくいかなかった時に、その人が悪いのではなく、
その失敗をした原因が、人の連係にあったのか、作業の連係にあったのか、人の教育にあったのかなど、失敗を取り巻くまわりの原因を徹底的に探して対応します。

そして、被害が拡大して流れが滞らないようにスピーディーにチームワークを発揮して対応します。

東洋医学の、「流れ」というキーワードを農場で考えてみると。

農場では、農場のメンバーが元気で、「気」が充実してなければいけません。
気持ちの上では、メンバー同士で、「元気」や「感謝」や「やる気」や「思いやり」がグルグル流れていなくてはいけません。

他にも、「牛の流れ」「一日の作業の流れ」「人のローテーション」「農場内の物の流れ」「年間を通しての牛や作業の流れ」「お金の流れ」。

これらの「流れ」が、滞りなく、滑らかに、無駄がなく、
まるで熟練した職人の技のように、あるいは
芸術(アート)のように、流れなくてはいけないのです。

「牛の流れ」 を例にとると。

生まれて分娩房から哺乳舎に、すみやかに衛生的に動かす。
健康に哺乳期を乗り切り、発育は順調に育成期に流れていく。
過肥や痩せすぎ、病気を抱えずに健康体で妊娠し分娩まで流れていく。
乾乳期、産褥期、泌乳最盛期へ食欲旺盛に、元気に流れていく。
流れるようなスムーズなパーラーへの牛の移動。
スムーな移動を可能にする、床の状態や蹄の状態。
受精や治療をするために牛を捕まえる時のスムーズな作業。
グループ移動の時の、スムーズで静かな牛の流れ。

これらの流れをいい状態で維持するためには、何をどのようにコントロールしなければいけないのかを、ひとつひとつの作業の中で見直して、組みなおす必要があります。


農場内の、「元気」や「やる気」が滞らずスムーズに流れるためには、何をどのようにコントロールしなければいけないのか。

今まで私が、ブログに書いてきたことも、この「流れ」という視点で見ると全体像が違って見えます。
 
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by agricoach | 2007-03-01 00:00 | トヨタ風「最強の社員」


2冊目の本ができました。今回の本はイラストをいっぱい入れています。       メールは kagryt5297wexv@btvm.ne.jp まで。


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