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農場での見える化って、どんなこと?

滋賀の会の中での質問に「見える化」がありました。

時間がなくて「見える化」については、ほとんど話をしていませんでした。

もう一度、概略を説明してあと農場での具体的な事例を考えて見たいと思います。

「見える化」は、ビジネスの世界ですでに多く使われています。
「見えない」ゴミは処理できない。
問題が見えないと、それをどう解決するかわかりません。
ここで言う「見える」とは、農場内の問題点もそうだけど、それ以外にも
農場の将来の計画、農場のメンバーの考えていること、繁殖状況、生産物の状況(乳量、乳質)、子牛から成牛の発育状況、牛のローテーション、人間の作業のローテーション、メンバーの不満、提案、病気の予防と発生状況、お金の流れ、整理整頓などです。

よくあることが、農場のメンバーが数人いると、ある人はよく見えているのだけど、他の人は全然見えてなかったり、見ようとしなかったり、「見る」ことにメンバーで差があることです。

「見えるようにする」とは「見たくなくても見えるようにする」ことのようです。
3m離れたところからでも見えるのが、「見える化」だそうです。

そう考えると、農場内では、まだまだ「見える化」はできていません。

一番だいじな「お金」も見えていません。
ふつう、財布のひもを握っている人は、わかりますが、ほかのメンバーにはわかりません。
毎月いくら入ってきて、いくら出ていくのか。
エサの単価はいくらか。
1頭の牛は、どのくらい乳が出れば、儲けが出るのか。
乳100kg出荷するのに、どれくらいの経費がかかっているのか。
自給飼料100kgつくるのに、どれくらいのコストがかかっているのか。
それらのことを、農場のみんなが理解して作業をしているのか。

など、単に一番だいじなお金のことについても、多くの農場で経理をする人以外は知りません。

「見たくなくても見えるようにする」
「3m離れたところからでも見える」

さて、ここで読者の方に質問です。

お金について、これを実行するには、農場の中でどんな仕組みにすればいいのでしょうか。
あなたが思いつく、あるいは実行していることがありましたら
コメントに書いて教えてください。
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by agricoach | 2007-04-28 22:02 | 見える化

すべてを教えてもできない

NHKの番組「プロフェショナル」 で、りんご農家の木村秋則さんが紹介されていました。

木村さんは、りんごでは無理と言われた完全無農薬で栽培をしている人です。

木村さんは、栽培技術を隠さずに全部教えてくれるそうです。
でも、教わっても実際に実行できる人は、ごく一部のようです。

木村さんの理念は、「りんごの木が育つのを見守る」 ことです。
りんごの木に悪いことは、徹底してしない。

ひとつの例で取り上げられていたのが、
害虫駆除のための酢の散布。
一般には、効率よく散布するために大型機械のスプイヤーが使われていますが、
大型機械のため重量が重く、農場内の土を固めてしまい、木の根に悪い影響を与えます。

そのために、木村さんは大型機械は使わず、効率が悪いけど
手作業で散布するそうです。

木村さんの技術を習いにくる人にも、土を痛めることの説明をして
技術を伝えるのですが、多くの人が作業が楽にできる大型機械を使うそうです。

そのため、なかなか完全無農薬がうまくできません。

全部の技術を教えても、それを実行する人の理念がなければ、できないのです。

木村さんの理念は、
「自分達を生かしてくれる大事な有り難いりんごの木を土を、守る」
「木にとって悪いことは徹底してしない」

この理念があるからこそ、完全無農薬の技術が実行できるのです。

乳牛の農場でも、「乳質のよい牛乳をつくる」 「健康に牛を飼う」には、
「牛に悪いことは徹底してしない」 という理念がなければ実現しません。
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by agricoach | 2007-04-24 13:55 | 運営

農場視察に行ったら、何を見るか?

農場の掃除のことです。

乳牛のTMR給与のところで、スタンションの下に
エサや糞が溜まって、固まってしまいます。

そこは、カビの培地になって、パカパカに固くなっています。
これが、いっぱい溜まってくると、飼槽のほうに落ちて、牛が食べます。

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この農場は、整理整頓が行き届いているところです。
飼槽にエサを配る前に、毎日スタンションの下を掃除しています。
新しいエサが少し溜まっていますが、かびた古いエサは残っていません。

多くの人が、農場視察などでいろんな農場を見に行きます。

普通、新しい機械や牛舎の構造やエサのメニューなどを聞きますが、
ほんとうは、その農場内の作業のどこに気をつけて朝から夜までの
仕事をこなしているのかが重要なんです。

同じ機械や構造は、ほかのところでもあるのに、
なぜその農場は、うまくいっているのかを、ぜひ聞いてください。

ひとつの注目点が、いかに整理整頓をしているかです。
掃除や片付けだけでなく、データで整理、スケジュールの整理、問題点の整理、
対策の整理、メンバーの考えの整理。

うまくいっっている農場では、「なるほど!」と言える、「基本をしっかり」が
実行されているはずです。

もし、農場視察の機会がありましたら、ぜひそのへんのところを見て来て下さい。
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by agricoach | 2007-04-22 17:34 | 技術

農場内の事故


農場で人間が被害を受ける事故として、機械による事故、牛による事故があります。

トラクターがバックする時に、後ろにいた子供を轢いたり、
トラクターの回転軸に手を挟まれたり、
サイレージの踏圧の時にジョベルカーが転倒したり、
牛に蹴られて大怪我をしたりもよくあります。

以前、牛に腹を蹴られて内臓破裂を起こし緊急手術をした農家もいました、
またお産の時に興奮した牛に突かれて骨折をしたり、
和牛の角が胸にささり死亡したり、
牛の横に立った時に膝を蹴られて靭帯が切れて2ヶ月間入院したり。

農場の中で牛が被害を受ける事故として。

牛床が滑りやすく、股関節脱臼や外傷ができる。
寝起きの時に乳頭を踏む。
新しく入れた牛がいじめられて大怪我をする。
除糞作業中に機械で牛に怪我をさせる。
スタンチョンで変な寝方をして起きられず窒息死する。
風で飛んできたビニールを牛が食べて腸閉塞を起こし死亡する。
フェンスに結んでいたロープに足が絡み骨折や脱臼をする。
発情した牛に乗られて起立不能になる。
お産後、後産を食べ喉に詰めて窒息死する。
さびたスノコが壊れ牛が尿溜めに落ちて死亡する。
さびたスノコに足を突っ込んで怪我をしてフレグモーネになり
痛さでエサ食いが落ち、数ヵ月後には痩せすぎて廃用になる。
さびて壊れた鉄のフェンスあるいは水槽や餌槽で牛が怪我をする。

これらは私が農場で目撃した事故です。

これらの事故の多くは、予測できたことで予防しようとすればできました。

たとえば、すべり易い床は改造をしたり、マットにしたり、ノコクズや乾燥剤を撒いて滑りにくくできます。

壊れたフェンスなどは、その都度、修理をしたり取り外したりすれば怪我はしません。

牛舎の中でどんな事故が起こる可能性があるのかを確認して、その部分をしっかり整備していけば、かなりの事故が防げます。

死亡までにならなくても、怪我をして治療費や産乳量の低下、繁殖の不良などとロスが出てきて、数十万円のマイナスになります。

失敗学の中では、失敗した原因を今後に生かすために、細かく分析します。

たとえば「壊れたフェンスを修理する」という作業がうまくできないとき、それはなぜか。
壊れていることに気づいてないのか、自分で修理する技術がないのか、気づいて技術もあるのだけど、時間がないのか、ヤル気がなくてどうでもいいと思っているのか、気づいているけど「まあ、怪我はしないだろう」と、あまく予測しているのか、ヤル気も技術もあるけどお金がないのか、などです。

もし、「壊れたことに気づいていない」となると、壊れていることを気づくためにどうすればいいのか、月に一回は農場内の整備の日を作って点検するとか、気づいた人が事務所のボードに大きく書き出すようにするとか。

よくあることが、壊れたことをお母ちゃんは知っているのに、それを修理するお父ちゃんに伝わってないのです。

また、壊れていることはわかっているのに、農作業が忙しくて手がまわらないのです。

忙しくても、ヤル気がなくてもそれができるようにする仕組みをどうするかです。もし、忙しかったりヤル気がなかったりするようなら、お金はかかりますが外注すべきです。

外注する時も、誰がいつどのように、そしていつまでに終わらせてもらうのかなどを確認してスケジュールの中に入れなければ、実行まで行き着きません。

人間や牛が怪我をする大きな要因に、段取りが悪くバタバタとしている、あるいは人間の体調が悪く注意不足であったり、農場内の人間関係が悪く、けんかした後に集中力がなく失敗が起こったりします。

このような段取りの悪さ、注意不足、集中力のなさなどが日頃から起こらないようにするには、なにをどうするのかまで考えていなければ失敗を防ぐことができません。
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by agricoach | 2007-04-18 22:15 | 失敗学

三輪車クイズ 

先日の滋賀での話の中で、三輪車理論を説明しましたが、
冒頭でのクイズを忘れていました。

そこでクイズです。

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「上の写真で、おかしなところはどこでしょう?」

という問題です。

ちょっとした、アイスブレークです。

解答してみたい人は、コメントに書いてください。
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by agricoach | 2007-04-17 06:51 | 運営

MADE IN CHINA

最近、多くの品物に「MADE IN CHINA」が付いています。

服や文房具、日用品、電気製品など。
100円ショップに行くと、ほとんどが「MADE IN CHINA」です。

たぶん、組み立てや包装など全部人手でやっているんでしょうね。

先日、何かの集まりで、「中国の貧しい人たちに援助の品物を
送ろう!」という話題が出ていました。

私のまわりの人たちは、
「品物を送っても、それが”MADE IN CHINA” じゃ洒落にならないな!」
と言ってました。

とにかく日本中に「MADE IN CHINA」があふれているのです。

ここ数日、西からの風が強く空がかすんでいます。
今日も小雨が降っていたのだけど、車のフロントガラスは
土みたいなもので、汚れていました。

テレビを見ると、「黄砂」とのことでした。

「え?! 黄砂? といえば黄河流域の黄土高原から飛んでくるやつだ!」
と思い、

「もしかして」と思い
車のフロントガラスに付いた「黄砂」を顕微鏡でのぞくと

「MADE IN CHINA」 

のタグが付いていました。

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by agricoach | 2007-04-16 21:30 | ユーモア

三輪車の変速機

自転車には変速機が付いています。

昔は変速機なしだったのですが、それが3段変則 5段変則 になり
最近は15段変則も普通です。

この変速機は登り坂を上るのに疲れずにうまく登れます。

三輪車理論では、「技術」「人」「仕組み」が3つの車輪で、
ペダルを踏む力が「人間力」でハンドルを持つ手が「目標」です。

これに「変速機」にあたるのが
「コーチ」であったり「同じ思考をするグループ」であったり
「自分のやる気のある、あるいは感動した感情を持続できるもの」
たとえば尊敬する人の話であったり本であったりビデオであったり
自分を応援してくれる人であったりします。

「動機」も、りっぱな変速機です。
「動機」は不純なほどいいそうです。

「日本の畜産のため」とか「みんなを幸せにするため」とか
「農村社会の確立のため」なんぞという高尚な動機でなくて

「金をがっぽり儲けて、いい女と結婚したい」とか
「かっこいい農業をして、彼女を作りたい」とかの
動機は不純なほどいいそうです。

凡人は高尚な動機を持っても、続かないからです。
私もすぐに挫折します。
不純な動機ほど、ひとの欲望から出てきたものはないから
ねばり強くなれるんです。


この変速機をいっぱい持っている人ほど、坂道を登り易くなります。

3段変則より5段変則

5段変則より15段変則

15段変則より50段変則

いっぱい、自分の変速機を作るにはどうするかが
ひとつのテーマです。
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by agricoach | 2007-04-11 23:57

ヤングステーキ

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この前、あるファミリーレストランに行きまして、
今まで頼んだことのない、「ヤングステーキ」ってやつを注文しました。

値段は、700円くらいで安いし、過去にレストランで安い肉を注文して、
あまりいい思いをしたことがなかったので、
このところレストランに行っても、注文したことはありませんでした。

そこのファミリーレストランで、わまりの人が結構「ヤングステーキ」を
注文しているのを聞いて、「じゃあ !」と思い今回は注文してみました。

しばらくして、出てきたのですが。

かなり固いのです。

「こりゃあ、ヤングステーキにしては固いね!」
と私が言うと、妻は
「いちおうヤングというのは、若い牛の肉だからじゃないの」
と言います。

そこの肉は、オーストリア産なので、そこまで固くないと思っていたのですが、
違っていました。

私は
「これは、ヤング(マン)ステーキで、歯もあごの筋肉も強い若い人用のステーキだ」
ということになりました。

とうてい入れ歯の人には食べれません。
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by agricoach | 2007-04-08 14:05 | ユーモア

三輪車理論

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「人」 「仕組み」 「技術」 の3つの輪は、ちょうど三輪車のようです。

どの車輪も同じ大きさでないと、前に進みません。
実際の農場で多いのが、「技術」の車輪は大きいのですが、
「人」と「仕組み」の車輪が小さいので同じ場所をくるくる回っています。

3つの車輪を大きくすることが、うまく進む三輪車(農場)になります。

次に、ペダルを踏む力になるのが「人間力」。
毎日、自分が決めことをコツコツできる力。
難儀な事でも、あきらめずにコツコツとできる力。
問題にぶつかっても、自分で考えて行動し、うまくいかなくても自分の責任で次の解決策を考え次の行動を起こす力。

このペダルをこぐ力「人間力」がなければ、三輪車は動きません。
どんな仕事も、うまくいかない事、壁、難しい問題があります。
これは、「坂道」と同じです。
「坂道」と言っても「下り坂」でなくて「登り坂」です。
「下り坂」なら、なにもしなくて進むから楽なんですが、
「登り坂」は、ペダルをしっかり、こがなくては進みません。
上りがキツイほど、ペダルを強く踏まなくては進みませんが、
「人間力」が弱いと、ペダルを踏む力が弱くて、ちょっとした坂道でも
登れなくて、止まってしまいます。

どんな仕事も「登りの坂道」があります。
この世の中に「坂道」がない仕事はないと思います。

逆に言えば、「人間力」がなければ、どんな仕事をしても、壁を乗り越えられないので
「一流」にはなれないのです。
「ほどほど」のことはできるのですが、「上り坂」が急になれば、登れず止まってしまいます。

酪農の状況は、今、非常に厳しくなっています。
乳価は下がるし、エサ代は上がるし、消費は伸びないしで
どう考えても楽になる要素はありません。
それこそ「急な坂道」です。

この「急な坂道」を登れないと、廃業するしかありません。
ところが、酪農をしても儲からないからと廃業して、他の仕事に就いても
うまくいきません。

今までの、社会情勢では、まじめに働けば「給料が上がって貯蓄が増える」というのと違ってきています。
農産物の輸入が増えて、エサや材料が高くなり、今までのような生産物が安くなるような社会状況では、ただ普通に働いていればいいという状況ではなくなってきています。
あれぼど「安定」しているはずの公務員でさえ、「不安定」になってきているこの頃です。

ペダルを踏む力の「人間力」が強くなければ、三輪車は前に進まないのです。

つぎが、ハンドル。
ハンドルが「目標」「ゴール」になります。
車輪が3つあって、ペダルを踏む力もあるのだけど
ハンドルを操作するのがうまく行かないと、つまり目標がはっきりしていないとグルグルと同じ所をまわって、前に進みません。

どこに行くかをしっかりハンドルきらないと、結果がでません。
このハンドルが、「理念」であったり「目標」であったりします。

この三輪車理論が、わたしの考えの全体像だと
この頃思っています。
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by agricoach | 2007-04-01 13:49 | 運営


2冊目の本ができました。今回の本はイラストをいっぱい入れています。       メールは kagryt5297wexv@btvm.ne.jp まで。


by agricoach

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