行動科学

行動科学とは

動物行動学というのがありますが、それは動物の行動生態学、生理学、動物社会学、心理学、遺伝学、進化学、数理生物学など、動物の行動がどんな環境や周囲の状況でどう行動するのかを調べます。獣医師がかかわることは小動物、産業動物の分野ですが、人が望むように動物に行動してもらうためには、どんな環境や刺激をするべきなのか、人と動物がお互いにストレスなく係るために必要なことなどを研究する学問です。

一方、それとは似たような言葉ですが、行動科学という考え方があります。動物の行動ではなく人間の行動を科学する分野です。これはビジネスの分野で利用されていますが、どうすれば成果を上げることができるのか、どうすれば効果的に技術や知識を伝えられるのか、部下の業績を伸ばすためには何が必要か、いいとは、わかっているけど、なかなか継続できない事をどうすればうまくできるのか、などの課題も多くの組織で共通しています。他の人に仕事を教える時に「うまくやる」とか「徹底する」とかでは、なかなか思うような効果が出ないのが多くの会社で直面する課題です。獣医師が行動科学を利用することで役に立つケースが多いと思います。

行動科学では教える内容を知識と技術に分けます。知識とは、聞かれたら答えられること。技術は、やろうとすれば、できることです。

例えば知識とは、補液をする時、どんな病気のときにどの補液剤をどの割合で、どれくらいのスピードで、何リットル入れるのか。ショック状態になった時の対応方法などです。


技術とは、脱水が著しく血管を確保しにくい患畜にどのように血管を確保することができるか、長時間補液する時に、牛の保定方法や補液のセットができるか、アクシデントが起きた時に処置できるかなどです。

行動科学では「すべての結果は行動の蓄積である」としています。「結果が出たのは正しい行動を続けたから。結果が出せなかったのは、間違った行動を続けたから。偶然が結果を左右することはない。」と考えます。

例えば、あるやり方で帝王切開をすると1.5時間かかり術後の母牛の受胎率が70%で。ほかのやり方では1時間で終わり受胎率は90%だったら正しい行動は、当然1時間で終わるやり方です。


また、子牛の死亡率が高い農場を指導する時、どの項目をチェックして、それをどう判断して、農家の具体的な行動をどう決めて、農家に実行してもらうために、どのように説明してやる気を引き出すために、どんな手法をとって死亡率を下げるのか。成果を出している獣医師の行動を観察していいと感じたら、どんどん真似をすればいいのです。ところが、それが、なかなかできないのです。


「一生懸命に頑張る」とか「根性でする」とか「きっちりする」などは行動科学では、目標とみなしません。数字と日時を入れることで目標とみなします。気合いや根性、意志の力だけでは人間は動き出せない、続けられない、と規定しています。


農場などにも、「整理整頓!」「きれいな農場!」などの標語がかかっていることがあります。でも、これで農場がきれいになるのなら苦労はいりません。重要なのは、整理整頓をするための行動を具体的に示し、習慣化させて、定着させることです。整理整頓とは、具体的行動の積み重ねがあって、はじめて成り立つものです。精神論をいくらぶっても意味がありません。なぜ整理整頓が実行に移せず、続けられないのか? ①目標自体に問題がある②目標は実現可能でも、『実行し続ける仕組み』がない、その原因はこの2点しかありません。


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by agricoach | 2017-01-10 00:44 | 行動科学


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