行動科学での行動とは

行動とは

行動科学での行動とは、ひとつひとつの動きです。

たとえば、たとえば「水を飲む」を行動に分析してみると。「コップを見る、右手でコップを握る、コップを口の高さに持ち上げる、口をつける、コップを傾ける、口の中に入ってきた水を飲む。」となります。他に、例えば「牛の採尿をする」は「尾の先端を一重つなぎで結び、牛の首にかけて尾を固定する、外陰部を2リットル以上の水で洗う、外陰部を左手で5cm以上開き、右手に持った膣鏡を上1020度の角度で5cm挿入後水平に挿入する、膣鏡のねじを回し膣鏡を開く、授精用のシース管に吸引用に20mlの注射器を付ける。外尿道口からシース管の先端を上1020度の角度で5㎝挿入し、方向を変え下1020度の角度で尿道に入れる。尿道憩室にシース管の先端が引っかかったときは、シース管を手前に23㎝引き、もう一度シース管の先端を上1020度の角度で入れ、次に方向を下2030度に向けて再度挿入する。尿道に入ったらシース管を20㎝入れ、注射器で尿を吸引する。」となります。

他に例えば、「毛刈りし術部をきれいに消毒しドレイプを付ける」は行動科学では、「毛長1mmのバリカンで幅10cm長さ20cmの範囲を毛刈りし(毛刈り部)、毛刈り範囲の外10cmの範囲まで洗浄用ブラシを使い石鹸で汚れを取る。その後水道水20リットルを使い石けん分を洗い流し、スプレーを使い2%イソジン液を術部全面に3回噴霧し30秒待つ。ペーパータオルを10枚使い毛刈り部周囲の水分を取る。毛刈り部周囲にドレイプ固定用の接着剤(G17コニシ(株))を線状に付け120cm×120cmのドレイプを固定する。」となります。

このように、行動科学では行動を細かく抜き出し、他の人でも行動を再現できるように分析して書き出します。

技術の分析

ひとつの技術は多くの行動から成り立っています。例えば帝王切開にしても、胎児の生存率が高く、手術後の受胎率が高く、術後の感染症がほとんどない帝王切開ができる高度な技術をもった獣医師の行動を細かく抜き出して、それを新人獣医師がコピーすることで成功率を高くすることができます

例えば帝王切開では農場に到着して禀告の質問は、何を聞き、何を判断したか。牛の診察準備のために道具は何を何個準備したか。診察の時、牛の保定はどのようにしたのか。どこの何をどのように診て、診断したのか。手術に入る前の保定、術前の準備(毛刈り、消毒、ドレイプ)、切開場所(起点と終点)、長さ、筋層の切開の仕方、縫合の仕方、アクシデントが発生した時の対応方法、術後管理はなど。細かい行動にまで抜き出します。

行動を抜き出して、それを元に電話対応、準備、診断、保定、手術、術後管理のチェックリストをつくります。そのチェックリストからピンポイント行動を選びます。

ピンポイント行動とは、一連の行動の中に潜む、「結果に直結している行動」のことをいいます。このピンポイント行動をチェックリストの中から特に重要だと思われるものを2~3個絞り込みます。

たとえば、帝王切開では

1.5分~30分以内の、手術開始の判断。(母牛の産道損傷や汚染しないよう、子牛が衰弱しないよう。)

(子牛の生存率を上げ、母牛の受胎率をあげるためには難産介助を長い時間行い母牛の子宮内を汚染させ胎児を衰弱させ母牛を衰弱させるのではなく、いかに迅速に手術の判断をするかにかかっています。)

2.術式の的確な判断。(過大児、奇形児、腐敗胎児、起立不能時などの時に、立位か横臥位か、左か右か、切開場所、切開長はなど)

3.汚染を防ぐ対応。(清潔な術式、環境対策、座り込みなどのアクシデントへの対応)

こうして選んだピンポイント行動を、具体的な行動に落とし込んで誰が読んでも必ずその行動を再現できるような表現にします。技術の行動の書き出しをして、それに基づいてチェックリストを作り、その中からピンポイント行動を決める。


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by agricoach | 2017-01-25 23:18 | 行動科学


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