帝王切開を例に

帝王切開を例に考えてみます

禀告

何時から分娩が始まったのか。分娩の徴候は、尾を少し持ち上げる。牛房を動き回る。いきみが出る。破水の有無、半日以上経過しても破水しないときは子宮捻転の可能性あり。陣痛の強さ。予定日、予定日より1週間以上前の場合は双子の可能性あり。分娩を介助した後は、必ず双子確認をすること。予定日より2週間以上前の場合は胎児奇形の可能性あり。胎児の体型奇形、結合体位、胎児の腹部異常膨満のために分娩できないことがある

診断  

どのような時に踏み切るのか。胎児の蹄が大きく、外陰部から1つの蹄しか出ないときは、帝王切開(ほとんどが初産のとき)。頭位上胎向の時は、両前肢球節の上に産科ロープを付け、頭が産道から、ずれないように後頭部にも補助ベルトをかけ、この状態で牽引しても、頭部が骨盤腔内に入ってこないときは帝王切開にする。また、頭部が骨盤腔内に入ってきたとき、術者の腕を産道に挿入して上腕まで奥に入らないときは切開。ロープで胎児の足を牽引した状態で、胎児の後頭部を探った時、後頭部全体に手が回る時は、そのまま経膣介助。狭くて後頭部を全て触れないか、触れても手が痛いほどの時は、帝王切開。(堀北哲也)失位整復を始めるときに時間を確認し、農家の人など周囲の人に「30分経ったら教えてね」という(自分は夢中でやっているため時間経過の感覚が狂うので)。30分後、まだ失位整復中だったら一休みし、状況は好転しつつありあと少しで経膣分娩させられるのか、状況は進展していないのかを判断する。前者であれば、「あと15分やってみようね、時間お願いします」、と言って失位整復・分娩介助を続ける。後者だったら帝王切開に移行する。前者の場合、15分後(開始45分後)にまだ娩出できていなければ帝王切開に移行する。(堀北)助産時、自分が焦ってきたなと判断する方法。分娩介助中の手指の消毒がおろそかになってきたら、「ああ自分は焦ってきているな」とゆっくり三回深呼吸する。助産開始時は、ちゃんと手を消毒し、途中、産道に入れている手を入れ替えるたびにちゃんと消毒液バケツに手を入れているのですが、介助が思い通りにいかずだんだん焦ってくると、「あれ、あれ、おかしいな」と思いつつ、産道の手を入れ替える時も消毒することなく手を入れ始めます。そんな自分の行為を、自分の焦りのバロメーターにしています。

尾位の場合はロープで胎児の足を牽引した状態で、胎児の骨盤を探った時、臀部から仙骨十字部付近まで手が回る時は、そのまま経膣介助。狭くて尾根部に触れるばかりで、骨盤を全て触れない時は、帝王切開。尾位の場合はロープで胎児の足を牽引した状態で、胎児の臀部を触った時 、お尻の筋肉が丸みを帯て、柔らかければ、そのまま経膣介助、お尻の筋肉が伸びきったままで固い時は、帝王切開。

(山本)尾位の時、臍帯が太ももの内側を通って前方に行っているときは、そのまま牽引すると先に臍帯が切れて胎児が死ぬので、牽引を初めたら2分以内に引き出すこと。引き出した後は救急処置が必要なので、救急用具を事前に準備しておくこと。2分以内で引き出せそうにないときは帝王切開。胎児が死亡する前提で経腟分娩にするか、帝王切開にするかは畜主と相談する。和牛と乳牛では状況が異なるので畜主と相談する。(清水大樹)腐敗胎子と巨大胎児の場合の対応、頭部や肢関節が変形している骨格異常の場合、産科ロープをかけ牽引してびくともしないときは帝王切開。(山本)牽引して母牛が、引きずられる時は帝王切開。胎児がすでに死亡し、子宮内で腐敗して皮下に気腫が溜まり、胎児が膨満している時は帝王切開。ただし術後の腹膜炎、子宮筋炎が高い確率で予想されるので畜主と相談して手術を決める。

頭位でも尾位でも正常に産道に入っていて、子牛も異常過大児でないのに、牽引してもびくともしないときは、骨格奇形や奇形による腹部の異常膨満の可能性あり、帝王切開。子宮捻転が360度以上で、手腕を頚管内に入れることが出来ず、後肢釣り上げ法や母体回転法でも整復出来ない時は、腹壁を切開して捻転を整復し経膣分娩か整復後帝王切開。胎児の失位で、肢、蹄、頭部が全く触れないとき。この場合、腹壁を切開し、腹腔内に手を入れ、子宮の外側から胎児を整復後経腟分娩させる。この場合2人の獣医師の連携で行う。子宮を小切開し胎児を整復し経膣分娩する方法もある。この場合も2人の獣医師の連携で行う。ただし助産介助で時間がかかり(15分以上)子宮内が汚染されていそうなときは、小切開創から腹腔を汚染するのでこの手法はとらないほうがいい。経膣分娩か帝王切開かを迷ったら、帝王切開をすべきです。介助に時間がかかりすぎて母子共に衰弱してからの帝王切開では、生存率が下がるので、できれば帝王切開の判断は、520分以内にすること。

準備品

手術道具、バリカンかカミソリ、石けん、イソジン、

ドレイプ120×120cm(1枚約300円シグニより購入、中央に幅5cm長さ20cmの穴を開け、滅菌する)(通常は4胃変位の手術用の穴のサイズ)、生食3リットル(腐敗胎児や子宮内が汚染している場合は510リットル)。塩酸プロmlカイン40、硬膜外針(16ゲージ、120mm、Touhy針、八光ディスポーザブル硬膜外針)、硬膜外麻酔の時はキシラジン0.025mg/kgとリドカイン 0.1mg/kg混合液に生理食塩水を加えて5mlとする。0.5ml/秒の速度で投与(堀北哲也)硬膜外麻酔の実投与量はキシラジン0.010.017mg/kg(セデラック2%液 0.30.5ml/600kg)+リドカイン0.1ml/kg(キシロカイン2%液 3ml/600kg)+生食3ml、(清水)セデラック2%液 はBCS3.25以下0.3ml、BCS3.25以上0.5ml。リドカインは体重100kg当たり、1ml、接着剤(ホームセンターで売っている物、例えば木工用ボンドやG17 ゴム、皮革、金属用 コニシ(株))、子宮平滑筋弛緩剤、塩酸クレンブテロール(プラ二パート、共立、10ml)、子宮鉗子(ウテルス鉗子)、10%トラネキサム酸(ヘムロン注、日新製薬、止血剤)30ml、套管針(第1胃のガス抜き用、左上横臥で手術をする場合、第1胃がガスで膨満するので、その時にガス抜きで使う)、滅菌タオル3枚(腐敗胎児の場合は10枚)。タオル鉗子57本(立位での手術中に横臥した場合、創口を一時的に塞ぎ汚染を防ぐため)。ペーパータオル10枚、子宮と筋層の縫合用の針は、一般的には外科強彎丸針 910 バネです。子宮と筋層を縫合する時の大針(大針の方が、子宮と筋層の縫合時の作業性がよく、短時間で縫合できます)、子宮や筋層を縫合する時の、大針のつくり方https://youtu.be/nvswTBBD254 (的場亮平)縫合糸:synthe sorb metric 8 usp 6 (山本)synthe sorb metric 6 usp 3+4 (蓮沼浩)SyntheSorb 5

楽に切開部から子牛を牽引するためには滑車を切開創の斜め上3mに取り付ける。特に横臥で手術する場合は、4050kgの胎児を引き上げるのに力がいるので滑車は必要。


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by agricoach | 2017-02-10 22:29 | 行動科学


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