農協、役場などの組織のありよう
農協や会社の組織図を見ると社長(組合長)を頂点に部長、課長、平社員となっています。
「社長(組合長)が一番えらく、下っ端は一番下」という意識がみんなにあります。
ところが、その農協や会社を利用する人が接するのは、カウンターで応対する平社員であったり、電話で応対する平社員であったり、現場で会う平社員であったりします。
その平社員の対応が悪いと、利用する人は「ここの農協(会社)のサービスは悪い!」と感じます。
私が時々、某農業関係機関に電話すると「はい」と暗い声で返事があります。こっちが「○○ですか?」と聞くと「はい」と暗い返事。
サービスのいい会社では、明るい声で「はい。○○会社の営業担当△△です。」と返事がきます。
電話をする側から見ると、その対応の差は歴然としています。
電話の応対だけで、その会社のイメージが違います。
地声のトーンを音階の「ド」とすると、ずっと「ド」の一本調子の低い声で話すので、
声に感情を込められないし、機嫌でも悪いのかなと聞く側に思わせます。
電話をかけた方には、「今、気分が悪いから電話するなよな!」と聞こえます。
電話では「ド」から「ソ」のトーンを使い分けて声に表情を出すのがいい会社の手法です。
電話の応対、カウンターでの応対、クレイム(お客の不満)が来たときの応対、現場での対応などほとんどは平社員(現場の人間)がやっています。
現場での問題点や、お客のニーズ、クレイム(お客の不満)を一番分かっているのは、現場の人間です。
現場の問題を一番分かっているのは、現場の人間だし、その問題を解決できるかどうかが、
その組織の出来です。
現場の人間自体が、その「農協」なのです。だから、現場の職員の出来自体が、「農協」の出来になります。
あるコンピューター会社では自分が社の代表であることを徹底されます。会社の代表として振るまい、ウソはつかず、約束はまもり、努力を惜しまない。お客の期待を少し上回る仕事をすることが求められています。
だから、いかに平社員(現場の人間)がうまく働けるようにするために組織があります。
顧客からみた本来の組織図は、一番上に平社員(現場の人間)がいて、その下に課長がいて、その下に部長がいて、一番下に社長(組合長、町長)がいるのです。
平社員の知識、サービス、対応、クレイム処理など本人がうまくできるようにサポートするのが下を支える上司の仕事です。平社員が出来ないことは、上司が代わりにすることもあるだろうし、それより大きな問題は、もっと下の社長が解決すべきです。
今から組織図は、ひっくり返して作ってください。
by agricoach
| 2005-11-03 23:17
| 運営